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「2SEE MORE #7」 山脇唯×R藤本

 写真×対談企画、第7回は『ベジータ様』以外の顔を見せてもらうべく、R藤本さんをお迎え。素顔を覗き見しつつのお喋りと、普段の表情を切り取った写真をお楽しみください。(撮影/PANORAMA FAMILY 文・構成/山脇唯)

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 だからこれね、あんまり好きじゃないんですよ、自分が。

 

R藤本:何を話せばいいんですかね……。

山脇:普段、ご自身について聞かれることありますか?

R藤本:まず聞かれることないっすね。

山脇:ベジータじゃない部分ってどれくらい、普段、出しているんですか?

R藤本:ないっすないっす。ベジータじゃない部分を出すことがないです。

山脇:でも、あのベジータの格好じゃなく、出ることもありますよね?

R藤本:めったにない、ですね。大喜利とかそういうものでしか……

山脇:ダイナマイト関西のときは、Tシャツを着てらしたり、とか。

R藤本:そうですね、はい。普通にやることもありますけど。

山脇:どっちのほうが好き、とかあるんですか? ベジータのときと、ご自分のときと。

R藤本:いや、だからこれね、あんまり好きじゃないんですよ。自分が。

山脇:え?

R藤本:本当に、はい。だからああやって、偽ってやってる部分もあって。何者かになりたいんですね、たぶん。

 

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山脇:藤本さんは、福岡県で生まれて。

R藤本:そうですね、福岡で育って。

山脇:わりとじゃあ「祭りだ祭りだ」って感じですか。

R藤本:「祭りだ祭りだ」? そんなイメージなんですか、福岡。

山脇:福岡って、胡瓜食べちゃいけない祭りがありますよね?

R藤本:なんですか、その祭り。全然知らない祭りが……。本当に知らないです。

山脇:博多の、祭りの期間は胡瓜を食べてはいけない、っていう、そういう決まりがある祭り。

R藤本:知らないです、そんな奇祭。

山脇:胡瓜を輪切りにした断面が、偉い人の家紋に似てるから、祭りの間は食べちゃダメ、って博多の資料館で教わりました。

R藤本:えー、知らなかったです。勉強になります

山脇:あと、禁欲。夫婦も営んじゃいけないっていう決まりもある。

R藤本:あら、祭りなのに。

山脇:だから、あれは、有名な……どんたく……? 博多どんたく。

R藤本:博多どんたく、行ったことないです。祭りに行ったことがない。

山脇:ご出身は、福岡のどのへんなんですか。

R藤本:久留米っていうところです。ちょい南の、佐賀に近い。

山脇:久留米! チェッカーズと松田聖子を生んだ土地!

R藤本:そうですそうです、あと有坂来瞳と。なんでみんな知ってるんすか。

山脇:知ってますよ。チェッカーズの出身地で有名だから……

R藤本:でも行ったことないでしょ?

山脇:行ったことないです。

R藤本:でもみんな久留米っていうと知ってるんですよね。びっくりするんですよ。

山脇:「久留米が生んだ、チェッカーズ」とかいうんじゃないですか。だから「久留米=チェッカーズ」で知ってる。

R藤本:そんな言うてましたかね。

 

何を以て祭りですか?

 

R藤本:福岡出身ですけど、祭りも行ったことがないし、博多どんたくとかは行かないし。

山脇:ずっと久留米ですか?

R藤本:高校から、福岡市です。

山脇:引っ越したんですか?

R藤本:高校で、寮に入れられて。高校時代は、暗い話しか出てこないんですけど……福岡の大濠高校っていう男子校に行ってて。

山脇:おおほり……

R藤本:大濠公園っていうのがあって。

山脇:あ、じゃあわりと街中のほうで。

R藤本:中心の方です。それで、寮で。消したいです、記憶を。

山脇:え、でも男子校だったら、わりと和気あいあいしていたのでは……?

R藤本:祭りにも行かないような奴やったわけですよ。そんな、できない。

山脇:でも、祭りに一回も行かないなんてことあります? 一回くらい行かないですか?

R藤本:その、だから……、な、何を以て祭りですか?

山脇:え? 何を以て? 夜店が出て……夏祭り的な?

R藤本:まず盆踊りはない、行かないです。みんなで「わーっ」てのはない。夜市とか、そういう店がいっぱい出ているところに行くのはありますよ。

山脇:なんか買ったりとかは、して……。

R藤本:いや、もう、買わないですし。

山脇:買わない。そこは、知らなかったです。お祭りとか行かれる方だと思ってました。

R藤本:行かないです、それは。避けてきたんです。

山脇:なんで避けてきたんですか?

R藤本:うるさいじゃないですか。

山脇:確かにうるさいけど……うるさいのは嫌いですか?

R藤本:嫌い、ですかねえ。

山脇:じゃあ、何が好きだったんですか?

R藤本:動物とか……。静かに散歩とかしてるのが、楽しかったですね。

 

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山脇:ペットは、けっこう飼われてたんですか?

R藤本:いっぱいいましたよ。シベリアンハスキー、あのでっかい犬もいたし、インコは最大30羽以上いたし。

山脇:え、インコ多くないですか?

R藤本:生むんで。

山脇:え?

R藤本:生むんですよ。

山脇:一族が、栄えて、30羽に?

R藤本:半年ごとに6羽増えるんで。えらいこっちゃで、もう区別つかないですよ。

山脇:ですよねえ。

R藤本:名前もだんだん「松」「竹」「梅」とかになってくるんですよ。もう、ないから。

山脇:チッチとかじゃなくなって。

R藤本:そう、ピーコとかチーとかだと、かぶるんで。

山脇:見分けつかないですよねえ。

R藤本:あとは、イグアナもいたし、ハムスター、熱帯魚、アヒル……

山脇:イグアナを飼うって結構すごくないですか……?

R藤本:親父がね、買ってくるんですよ。

山脇:お父様もお好きで。お家は大きかったんですか、じゃあ。

R藤本:小6のときに一軒家を買って。そんな大きくはないですけど。庭が……、父親が庭いじりとか好きで。

山脇:すごい。

R藤本:そういう影響ですかね。

山脇:じゃあ、高校で寮に入ったら、お家から離れて、動物からも離れるんで寂しかった?

R藤本:心が死んでたんで、本当になにも……なんのあれもなかったですよ。

山脇:ええ?

R藤本:本当にね、死んでたんです。闇の中にいました。

 

「思いきり場所は変えよう」と、そういうので大阪に1人で出てきました。

 

山脇:そして大学に進学して。そこからは、関西で?

R藤本:大阪の関西大学に行って。そこからはね、やっと普通の、人間らしい感じになって。

山脇:大阪の土地が良かったんですかね?

R藤本:あのね、でもね、「お笑いをやろう」ってのは全くなかったんですけど、その頃『吉本超合金』っていう番組があって。福岡でも深夜放送されてたんですけど、FUJIWARAさんとか2丁拳銃さんとかがレギュラーで、今ほど売れてなかったですけど、でも大阪では有名で。そんな人らが、すっげえ安っぽい予算で、すっげえ面白かったんですよ。それが自分の救いになってた部分もあって。わりと大阪にいいイメージを持ってて。

山脇:じゃあ、面白い物が好きなのは、ずっとあったんですね。

R藤本:好き、でしたね。寮に入ってたからそんなにテレビも観てはなかったんですけど、はい。で、大学進む時に、大阪と東京、どっちも推薦枠があったんですけど、いきなり東京行っても浮くかなと思って。確か、明治大学かどっかで。

山脇:あ、明大じゃなくてよかったかもしれない。

R藤本:なんか、そうでしょ、浮くでしょ?

山脇:なんかイメージですけど、はい。

R藤本:あと、ちょっと影響を受けたのは、爆笑問題の太田さんの自伝に「高校まで1人も友達がいなかった」「卒業旅行も一人で行った」っていうのがあって。自分はそこまでじゃなかったですけど。で、大学ではっちゃけて、田中さんと出会って、っていうのを読んで、結構影響を受けて、「思いきり場所は変えよう」と。そういうので、大阪に1人出てきましたね。

山脇:大阪ではどのへんに住んだんですか?

R藤本:関西大学が吹田市にあるんで、ずっと吹田です。市内で引っ越して、9年くらいいましたね。中退して、フリーターもやって、なんとなく就職して。

 

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なんかもう、肩も痛いし、椅子の高さも合わないし。

 

山脇:就職は、どういうお仕事ですか?

R藤本:なんかね、携帯の電波を測定するっていう。誰にも理解されないんですけど。

山脇:理系のお仕事……?

R藤本:や、関係ないっす。ドライバー、ナビゲーター、測定員の3人チームで、後ろに機材載せた車に乗って。一日中、あらゆる道を通って、このアンテナの電波がどこまで届くのか、っていうのを調査したいから全域まわるっていう。

山脇:グーグルアースみたいなことを。

R藤本:ああ、そうです、そんなことを。1年半くらいやりましたね。で、外回りは車乗ってうろうろするぶんには気楽なもんですよ。そこの3人さえ仲良ければ。

山脇:ええ。

R藤本:そこからランクアップすると、内勤にいくんです。外回りの奴らがとってきた電波を解析するチームがあって「もっとこうしたほうがいいんじゃないですか」って携帯会社に報告する、みたいな。その、内勤がちょっと無理で。

山脇:何か嫌だったんですか?

R藤本:なんかもう、肩も痛いし、椅子の高さもあわないし。

山脇:椅子の高さ、それは調整はできなかったんですか?

R藤本:できないんです。できないんですよ。

山脇:あらら。

R藤本:一生これでやんのかと思ったら嫌んなってきて。肩凝りがひどくて、頭も痛くなって、とうとう心臓くらいまで痛くなって。

山脇:つらい。

R藤本:並行してアマチュアでお笑いやってて、月に2回くらい、週末に舞台出て、っていうのをやっていたので、「そっちで、やりたいな」って。なんとなくで会社を辞めて、こっち側にきた、みたいな感じですねえ。

山脇:そこから芸人の道へ。始めたのは、じゃあ……いつになるんですか?

R藤本:もともと、学生の時に、大学のサークルの先輩とM1には出てて。

山脇:サークルは何サークルで?

R藤本:スキューバダイビングの。

山脇:わー。大学生っぽい。

R藤本:海の生き物も好きやったんで。そういう「好き」を出して。

山脇:とてもアクティブな感じですね、でも。

R藤本:それなりに明るいサークルではありました。チャラチャラはしてなかったんですけど。

 

ヒトの記憶があんまりないんですね。

 

山脇:東京に引っ越してきたのは……。

R藤本:2008年です。

山脇:あ、初めてお会いしたのその頃かな。覚えてます? しゃぶしゃぶ屋で。

R藤本:しゃぶしゃぶ……?

山脇:そんなあの、おねえちゃんがいるようなとこじゃなく、カジュアルな。

R藤本:僕もノーパンしゃぶしゃぶ行ったことないし、今あるのかどうかもわかんないですけど。そういうんじゃなく、しゃぶしゃぶ屋……?

山脇:幡ヶ谷で。A先生、せきしろさんと、ヨーロッパ企画の上田さんもいて。

R藤本:ほぼ覚えてないです。

山脇:あれは……2009、2010年ですかね……

R藤本:喋ってない……んじゃないですか。

山脇:喋ってます、喋ってます。

R藤本:挨拶しました?

山脇:はい。あとは、先輩たちの話聞きながらしゃぶしゃぶ食べて……

R藤本:じゃあ、あんまり話してないですね。

山脇:かな。ちょうど、ユーモア軍団と無印だった時代のももクロがイベントで戦った、あたりの出来事です。

R藤本:はいはいはい。あー、覚えてないです、すみません。

山脇:いえいえ。

R藤本:あんまり記憶がないんですよね、細かい。

山脇:あんま記憶を残さないほうですか?

R藤本:残さないですねえ、あんまり。

山脇:でも大喜利するときって、記憶の中から、出しますよね。そっちに容量をさいてるからかな?

R藤本:ヒトの記憶があんまりないんですね。変な話、父親の顔も覚えてないんで。

山脇:え? でも会ってるんじゃないですか?

R藤本:会ってないです。15年以上会ってない。

山脇:でもそんな……忘れます?

R藤本:忘れます。夢に違う人がでてきます。親父役として、誰か別の人がおるんです。

山脇:写真とかも持ってきてない?

R藤本:ないですね。

山脇:じゃあ、確認ができないですもんね。薄れていくまま……。でもメールのやりとりとかは?

R藤本:番号知らないんで、連絡先知らないです。

山脇:それは、東京出てくるときにもめたとか、そういうのがあって?

R藤本:激しくもめたわけじゃないんですけど。なんか「合わないな」って。そんなんです。

 

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山脇:男同士だからですかね……

R藤本:でも、母親ともそうで。親族でつながりある人間がいないんです。

山脇:お米やタオルを送ってきたりとかは?

R藤本:ないです。

山脇:大学のときとかも?

R藤本:祖父母とはね、仲良かったんです。もう亡くなりましたけど。そこからは来ましたね。だから、そこを通じて、情報は親にいってたと思います。

山脇:ええ……

R藤本:変でしょ。

山脇:変でしょっていうか……連絡とらずにやっていけるのかあ、みたいな。

R藤本:これだ、っていう理由もばしっと説明できないから、あんまり言わないんですけど……変なんですよ。

山脇:それは、なんで、っていうのもなく……。

R藤本:まあ、高校で寮入れられたとか、そういう思春期の細かいもめ事はあって、そのまま疎遠になったって感じです。

山脇:じゃあ、映画やドラマ、マンガとかで親子の絆のエピソードなんかが出てきても……

R藤本:そこまで感情移入できないです。

山脇:例えば、ベジータも息子がいるじゃないですか。その父親の部分とかは?

R藤本:まあ、そうですねえ。ベジータは、実家滅びてますからね。父親に対しての思い入れもないし。子どもは、できたら可愛がるんじゃないですかね、願望はないですけど。

山脇:そうかー。

R藤本:家族っていう感覚がないんです、一番欠けてる部分かもしれないです。

山脇:えええー。

R藤本:変でしょ、なんか。

山脇:じゃあ、盆暮れ正月に実家帰ったりもないですよね。

R藤本:もちろんないですし。親とメールとか、何をメールするの? と思うんですよ。

山脇:うちは、親とご飯食べたりもしますし、メールも結構します……

R藤本:変な話、神様とはメールしないじゃないですか。それくらいの現実感のなさ。「何をするの?」っていう。

山脇:神様とは、確かにメールしないですね……自分を生んだ、創った、存在……

R藤本:別に崇めてはないんですけど、現実にはいない、ような、感覚。

山脇:いるとは言われてるけれど……いないかもしれない……神様?

R藤本:いや、確実にいるんですけど、興味がない、っていう。

山脇:私にはちょっとない感覚です。不思議。

R藤本:そうでしょ。

山脇:そして、動物が大好き……

R藤本:でもそれは親の影響なんですよ、確実に。

山脇:なんか、でも、王族みたいですね。親御さんとの距離感とかが。

R藤本:ベジータもね、一応、王族の出なので。

 

 結局だから、何かになりたいんです。

 

山脇:で、2008年に東京に来て。

R藤本:そこから、今に、至る、と。

山脇:同期だと誰、とかってあるんですか?

R藤本:僕はNSC行ってないんで……一応、フルーツポンチとかが。

山脇:あのNSCの同期システム、けっこうややこしいですね。

R藤本:そうなんです。僕が、2006年のR1グランプリに出て。これを初舞台としてるんです。2006年の1月が1年目。NSC東京10期生っていうのは、2004年入学。2004年の4月に2005年の3月まで在籍して、ゼロ年目で、2005年の4月から2006年の3月まで1年目。で、同期って言われてるんです。東京きて知ったんですけど。

山脇:よしもとの方と他事務所の方がいると「誰と同期になるの?」みたいな会話があったりして。ちょっとだけ立ち位置を探る、じゃないですけど。

R藤本:確認しとかんと、っていう。三四郎とか同期ですね。でも、あんま同期とかは、ピンとこないです。

山脇::大変だなー、って。

R藤本:まあでも、逆に明確というか、芸歴を言えない人はいないので。

山脇:最初のR1はベジータで出たんですか?

R藤本:いや、ジャムおじさんです。

山脇:あら、RJで。

R藤本:そうです、よくご存知で。

山脇:リアルジャムおじさん。

R藤本:結局だから、何かになりたいんです。素のままで出たくないんです、あんまり。

山脇:あれは、なんでしょう。ものまねでもないし、憑依……? どんな感じなんですか?

R藤本:あれは、役、というか、役に近いんですかね……

山脇:演技? その役になった、っていう。

R藤本:そうですね。そんな感じです。

山脇:なんでそんな……自分がいやなんですか?

R藤本:なんすかね。あんま好きじゃない……です。よく知ってるだけに、みたいのもあるんですかね。

山脇:自分のことがわかってるだけに、好きになれない、みたいな?

R藤本:どうですか? 好きですか?

山脇:自分のことですか? 諸手をあげて好きかっていうと……

R藤本:まあ、もちろん、受け入れるしかないですからね。

山脇:「もっとこうだったらいいな」と思う部分は多々あるんですけど「意外と、いいな」とも思ったり……。

R藤本:あ、そっちのほうが素敵です。それはすげえ素敵です。

山脇:藤本さんは?

R藤本:ま、「悪くはないな」くらいはあるんですけど、根本的に好きじゃないんです。

 

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R藤本:何かやってるときにも、どっかで「客席にいる自分」を意識というか、客観視するじゃないですけど。そいつが笑ってればいいな、というのもあります。あんま良くないですけどね。

山脇:なんで良くないんですか?

R藤本:だってそれは、目の前のお客さんを笑わせたほうがいいじゃないですか。ようは、例えば自分みたいにひねくれたやつが客席にいたとして、楽しんでくれるかな、というのがあって。

山脇:それは、いいことなのでは……?

R藤本:いやー、どうなんですかねえ。わかんないですけど、目の前のお客さんに一所懸命やってるほうがいいと思いますよ。

山脇:そうなのかな。

R藤本:はい。ひねくれた人の意見は聞かなくていいと思いますよ。

山脇:でも、目の前、目の前になりすぎると、媚びに転じてしまうというか、それは良くなかったりもしません?

R藤本:まあ、でも、その方がいい気もしますけどね。バランスが大事なんでしょうけれども。

山脇:客として、媚びられたと感じると、ちょっとひいちゃう、さめちゃう、みたいなのはあって。「この人媚びてないなー」って感じる時に、面白いな、って思うから。

R藤本:ああ、そっちですかね、どっちかっていうと。

山脇:媚びられた、って感じると、下に見られたような気持ちが生まれるんですね。「これくらいで、面白いと思うんでしょ」って言われてるような気がして……

R藤本:あー、なかなか、ひねくれてますね。

山脇:「そんなことで笑いたくないな」って。

R藤本:わかります。だから、そういう自分が見ているのを、多少、想定……じゃないですけど。そういうのがあるかもしれません。

山脇:はい。

R藤本:でも、そういうひと、あんま来ないじゃないですか、観に。

山脇:まるっきりひねくれまくってたら、来ないかもしれないけど、多少はそういう人もいるはず……。

R藤本:そうすねえ。だから、大勢いる中でも、少数の人に向けちゃったりすることが、あるのかな、っていう。

 

だって、高佐さんと、俺ですよ? ワーワーはしないっすね。

 

山脇:あー、今すごく納得したんですけど、動物園がお題の大喜利で、藤本さんがすごく面白かったのを覚えていて。それは、やっぱり動物が好きだったからなんですね。

R藤本:いや、好きはやっぱり絶対出ますよ。引き出しに。僕は野球知らないんで、野球のお題だと、なんか、ないですし。

山脇:その時は、『動物園でバルスって言ったら何が起きた?』みたいなお題で。

R藤本:あった気がする、あった気がする。

山脇:『バルスという名の猿山ナンバー2が寄ってくる』っていう、藤本さんのがすごく好きでした。

R藤本:ぱっと、高崎山の”ベンツ”ってボス猿が浮かんだんです。大分県の高崎山にいるんですけど、子供のころ好きでよく行ってたんで。

山脇:そういう、好きが、やっぱり。

R藤本:家族がワーワーしないんで。その影響があるんだと思います。

山脇:ワーワーしない?

R藤本:スポーツも観ないし、ワーワーした感じが好きじゃない。どっちかいうと大人な感じの趣味というか……子どもに合わせることがない家で、遊園地行くとかもしていないですし。だからじゃないですかね。

山脇:以前、高佐さんと秩父にドライブに行かれたりしてて。あれもそんな、ワーワーしてないんですか?

R藤本:だって、高佐さんと、俺ですよ? ワーワーはしないっすね。

山脇:どんな感じなんですか? 2人でいると。

R藤本:こんなもんですよ。普通に。あのときは、高佐さんが引っ越しで軽トラ借りたから、それに乗って。

山脇:ほのぼのと。

R藤本:そうですねえ、車を運転するのは、なんか好きなんで。

 

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R藤本:なんすかね、旅行とか好きなんですよ、別に。アウトドアも嫌いじゃないし。運転もあんま苦にならないですね。

山脇:動物が好き、運転好き、海が好き……

R藤本:海が異常に好きなんです。

山脇:海が好きって聞くから、なんかこう、アッパーな青春を過ごしたのかな、って思っちゃってたんです。スキューバやってた、とか聞くと。

R藤本:その頃は、合わせにいってましたね。フェスも行ったし。

山脇:フェス! 音楽は好きですか?

R藤本:今はもう聴かないですね。当時は、まあ。夏フェスにいってるような、本当に薄い感じですけど。でもBUMP OF CHICKENとかは、好きでしたし。

山脇:「Aねーしょん」(※バッファロー吾郎A先生主催のイベント。藤井フマナイヤ、浜崎あゆまない等が出演する)のときの、藤本さんの『山崎まさわるし』が。

R藤本:あの……ものまねの。

山脇:あれはすごい好きです。

R藤本:なんですかね、あれは。

山脇:この前の、西野カナが全部山崎まさよしになるっていう。

R藤本:やりました、やりました。

山脇:トリセツの歌詞が途中から山崎まさよしになるの、すごかった。名人芸みたいで。

R藤本:替え歌がね、好きなんですよ。結局ネタもそうなんですけど、パロディでしかないんです。ベジータにしてもそうだけど。ゼロから作るんじゃないんです。あるものを、アレンジするのが好きなんですよ。だからやってること全部パロディなんです。

 

タンバリンも叩きますし、必要とあらば。

 

山脇:歌も上手いのは、久留米出身って聞いたから、だからかな、って思いました。

R藤本:どうですかねえ。大学の時カラオケはすごい行ってました。

山脇:あら、楽しそうな青春。

R藤本:毎週行ってたんじゃないかな、暇やから、みんな。

山脇:そのとき歌うのはバンプとか?

R藤本:大学のときは、モー娘。とか……。ちょっといやでしたけど、やってましたよ、ウォウウォ、ウォウウォ、って。「うわ」って思うんですけど、そういう世界だったんで、やるしかなくて。

山脇:だからかなあ。以前にせきしろさんが「合コンとかで一番機能するのは藤本だ」って。わりとおぼこい人が多い中で。

R藤本:あー、意外と、大学でそういうのをやったのはよかったのかもしんない、ですね。

山脇:ちゃんと、そっちもできる、っていう。

R藤本:いわゆる、そうですね、タンバリンも叩きますし、必要とあらば。

山脇:あと、藤本さんは相手が女性でも、変な感じにならずに話してくれるイメージがあります。

R藤本:変な感じに?

山脇:持ち上げすぎもせず……

R藤本:それは、できないだけですけど。

山脇:嫌な感じに下げもせず、普通に喋ってくれるなあ、という感じが。

R藤本:まあ、そうかもしんないですねえ。

山脇:打ち上げとかにお邪魔する時に、やっぱ緊張するんです。芸人さん、男性が多い中で、「女め」とか思われてないかな「なんなんだ」って思われてないかな、とか……。そういうとき、藤本さんはわりとフラットに接してくれる感じ。

R藤本:「女め」ってなんですか? そんな、あります?

山脇:あれ、ないですか?

R藤本:ないですよ、すげえギャルみたいなの来たら「女め」とか思いますけど。「なんか面白いことやってよ~」ってテンションで来られたら嫌ですけど。

山脇:ええ。

R藤本:あんまり人にひかないんです。「こいつ無理」っていうのがないです。自分は暗い方ですけど、ネアカな人間が無理でもないですし。

山脇:ワーってこられても、うわ、ってならない?

R藤本:こういう人なんだ、と思うだけです。

山脇:優しい……

R藤本:いや、逆に興味がないのかもしんないです。なんにも興味がないから、だから、サンプル的に見ちゃってるのかもしれないです、人を。

山脇:好き嫌いとかじゃなく……見る……観察?

R藤本:までは、いかないですけど、思い入れがないだけにフラットに。

山脇:人と動物だったら、動物、ですか?

R藤本:どういう選択肢ですか(笑)。

山脇:興味があるとしたら。

R藤本:や、どっちも興味はあるんですけど……好き、でいったら動物になるんですかね、そうですね。

 

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行動の原動力が反面教師だったりするんで。

 

山脇:もともと祭りに行かないタイプで、でも現在は祭りを興す側で。DB芸人のイベントとか、企画・プロデュースもされてて。

R藤本:興す側は、好きかもしれないですね。どっちかっていうと、自分みたいな、こういう奴だった人に受け入れられるものをやりたいっていうのが、あるのかもしれないです。『ドラゴンボール』っていう共通項があるから。

山脇:共通項。

R藤本:祭りって別に、共通項ないじゃないですか。祭りの原動力は性欲だったりするじゃないですか。一番は何か、って言ったら、性欲で。りんご飴じゃないでしょ?

山脇:そうですねえ、「好きな人に会えるかも」っていう、イベントだったりはするかも。思春期の頃とか。

R藤本:だから、性欲なんですよ、祭りは。

山脇:そうじゃない祭りとして……

R藤本:はい。あと、夢的なことで言うと、花火大会やりたいんですよ。主催で、ドラゴンボール花火大会。

山脇:うわあ。それは、最後、もちろん……閉会式で……

R藤本:「きたねぇ花火だ」

山脇:わあ!

R藤本:花火大会に営業で行かしてもらったときに、「この花火はどこどこの……」っていうアナウンスがすごい抑揚がなくて、惜しいなあって。それを「ビッグバンアターック!」みたいな、いろんなキャラクターがやる、っていうのを。

山脇:技みたいに。

R藤本:やったら面白いかな、やりてえなあ、っていう。花火大会自体が好きなわけではないんですけど、そういうイベントをやりたいな、と、そういうのは、あります。

山脇:それは、勝手にわき上がってくるんですか?

R藤本:あれなんですよ、行動の原動力が、反面教師だったりするんです。花火大会も「惜しいな、俺だったらこうするな」とか、すげえそれが多くて。だから例えば、細かいことですけど、芸人のSNSの言動でも「こういうのやだな」と思ったら頑なにしなくなったり。

山脇:たとえば?

R藤本:なんすかねえ。なんでも言う人、とか、言わなくていいじゃん、っていう。

山脇:あー、私もなんか、ほっこりしそうになったら戒めてます。

R藤本:ほっこりはいいじゃないですか。

山脇:嫌じゃないですか? ほっこりした女優。

R藤本:ほっこりした女優、最高じゃないですか。尖ってる女優よりは、ほっこりしてる方が。

山脇:そうですか? ほっこり?

R藤本:「オムライス食べたよー」でいいじゃないですか。俺は女性はそれでいいと思いますよ。

山脇:そんなん言ってちゃいけないな、って気持ちが……。ハンドクリームを男子の前で塗れなかったんです、中学校の時。なんか、女っぽくて。

R藤本:アピールしてるように思うからですか?

山脇:はい。だから、抵抗なくほっこりできる人って、平気で人前でリップクリームとかハンドクリームとか塗れたんだろうな、て。

R藤本:そういうのあるんですか、あんまり女を見せたくない、みたいな。

山脇:あります。

R藤本:どちらかというと、男社会寄りのとこで生きてきたからですか?

山脇:そうですね、男の人がいっぱいの劇団にいて、女優だけお味噌みたいな評価が悔しかったんです。

R藤本:え? お味噌?

山脇:男の人は演技上手いね、面白いね、っていわれるのに、女は何しても「かわいいね」だけ。面白いとか言ってもらえないのかな、同じ所で勝負したいな、とは思うんですが……わりとそんなのは求められてなかったのが……

 

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R藤本:なるほど……。あれ、何の話でしたっけ。

山脇:あ、反面教師の。

R藤本:反面教師多いっすね、今は。だから、こういうのいやだなーって思ったら、やらない。逆やる、とか。

山脇:最近の「やだなー」ありますか?

R藤本:なんだろうな、前から思ってるんですけど、まあ売れてない芸人で、結婚して。子どもいる人もいない人もいるんですけど、お金で苦労して「絶対売れなきゃ」って言われても、「……知らんがな」って。勝手に結婚したんじゃん、盛り上がって、って。勿論それがパワーになってるとは思うんですけど「それを言われてもな」っていうのはありますね。

山脇:わたしは同業者が「パパになった」とか言ってると……男性はいいよな、休むことなく続けられて、パパにもなれて……って僻んじゃいますけど、それとはまた違うかな。

R藤本:楽しそうに夫婦してるのはいいと思うんです。子どもいて、家族いて。そこで苦労を出されてもなあ、っていうのは、思います。そういうの見てると、どんどん結婚願望がなくなって、もともとなかったんですけど、もっとないです。

山脇:もともとなかったものが、さらになくなって。今ってさんじゅう……

R藤本:36歳になったんです、こないだ誕生日で。

山脇:81年代の早生まれ、80年生まれの学年で。

R藤本:もう、いい歳じゃないですか。

山脇:まあまあ、はい。

R藤本:いろいろ丸くなって落ちつくのかなと思ったら、そうでもないです。20歳くらいから「親との関係が変だ」って言われてて。「お前も年をとればわかるよ」って……わかんないし。そのうち結婚とかしたくなるのかな、子ども欲しくなるのかな、って思ってたけど、ないし。変わらない、ていうか、どんどんひどくなってる気がするんですよ。

 

戦いしか観ないです。

 

山脇:1人でいるの平気ですか? さみしいなあ、とかは?

R藤本:ないですね。

山脇:本当にさみしくないんですか?

R藤本:本当に(笑)? あんまりないですね。

山脇:みんな誰かと一緒にいるのに、自分は一人だ、孤独だ……って夕暮れ時に寂しくなって泣いたりとか……

R藤本:そういうの、ないです全然。

山脇:かまわない?

R藤本:かまわないですね、別に。今日くらい飲みたいなっていうのはありますけど、別に飲まなくていいし。漫画喫茶でも行こう、くらいの。

山脇:えー。

R藤本:誕生日もすた丼食ってましたけど、別にそこに何も……。あと、それ言うのもダサいじゃないですか。「クリスマス平気だぜ」って言うダサさ。

山脇:ああ!

R藤本:それも、他人が言ってるのをみて、「うわあ」って。

山脇:みんながお祝いしてる日をくさすのもね、なんですもんね。

R藤本:それもね、いやですね。

 

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山脇:そういうでも、藤本さんの自分コードみたいのがあるじゃないですか、これはダサいな、みたいな。

R藤本:それは感覚ですね。

山脇:なんの影響受けてるとかじゃなく、自分の中から生まれてくるもの?

R藤本:そうですね、感覚ですね。やだなーとか。

山脇:マンガで言うと、一番好きなのが、やっぱり……?

R藤本:『ドラゴンボール』に関してはもう、好きとかは、わかんないですね。

山脇:血肉になってるから?

R藤本:「日本語が好き」とかないでしょ、別に。

山脇:あー、それくらいの存在になってる。

R藤本:そんな感じに近いですね。

山脇:好き嫌いをいう対象でもなくなってる。

R藤本:好きでしたけどね、めちゃくちゃ。あとはガンダムとか、あんなのは好きです。

山脇:戦うものが好きなんですか?

R藤本:好きですね。戦いしか観ないです。

山脇:戦いしか観ない?

R藤本:恋愛はだめですね。女性に勧められた映画とかあんまり、観ない。

山脇:興味ないですか? 興味ないわけでもないですよね? 

R藤本:そういう感覚、今後出てくるのかな、ロマンティックしたいとか……。なんかもう、ないですね、キュンとか、そういう……

 

 

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いつ戦いが起きてもおかしくない。常時、戦いなので。

 

山脇::戦いはどうして好きなんですか。

R藤本:戦いは、なんで好きなんだろう。なんで好きなんですかね。たとえば、好きなのは、NHKでやってる『野性の王国』みたいな、ナレーションにクセのないタイプの……

山脇:ドキュメンタリー。「ライオンが、そして去っていく……」みたいな?

R藤本:そう、ナレーションに感情入るともう、嫌なんです。淡々としている方がいい。むしろ、ナレーションなんかない方がいいくらいで。

山脇:はい。

R藤本:ああいうのも、戦いじゃないですか。

山脇:生存競争だったりするから?

R藤本:そういうことじゃないですかね。

山脇:え? え? そういうこと?

R藤本:スキューバも、海の中で「きれい~」って、平和な感じしますけど、いつ戦いが起きてもおかしくない。常時、戦いなので。結局、そういうことです。

山脇:生きるか死ぬかの世界が好き……?

R藤本:なんか、そうなんすかねえ。動物、的なことなのかもしれないですね。

山脇:聞いても聞いても、どんどん藤本さんのことがわからなくなっていく……

R藤本:まあそうなんです、だからあんまこういうこと言わないんです普段。自分でも説明できないんで。

山脇:不思議。

R藤本:そんなに理屈で考えていないんで。感覚でそうだ、っていう。

山脇:闇でもないし……なんだろうなあ。

R藤本:いや、闇なんじゃないですか。

山脇:私の回路と藤本さんの回路があんまり似てないのかな、って思います。

R藤本:似てる人いるのかな……。

 

 

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あれをベジータでやってれば、いいんじゃない、って。結局それもパロディだったりするんですけど。

 

山脇:今年の目標みたいなの、ありますか……?

R藤本:目標……。そもそものスタートから、「売れてやろう」「天下取ろう」がないんですよ。会社が嫌で、こっちやろうか、くらいの。

山脇:はい。

R藤本:目標をそんな設定していないから、結構ぽんぽん叶ってるというか。実は「こうなる!」っていうのがないんです。

山脇:行く方向にいってるだけ……みたいな。

R藤本:なんか、そうっすね。

山脇:花火大会できたらいいな、てのはありつつ。

R藤本:10年以内くらいに、やりたいっすね。

山脇:なんか、やれそうですけどね。

R藤本:大変そうじゃないですか、市とかの協力がいるとか。

山脇:あるところを乗っ取ればいいのでは。提携、コラボして、だんだん乗っ取って。

R藤本:あー、でもねえ、お年いった方が権力もってて、とか。ありますよ、絶対。

山脇:地域はだいたいそうですよね。

R藤本:最終的に、ずっと芸人でやってくとしたら、理想的なのは、きみまろさんですね。

山脇:きみまろライブ。

R藤本:あれをベジータでやってれば、いいんじゃない、って。結局それもパロディだったりするんですけど。

山脇:ベジータが、きみまろの世界。

R藤本:当時のドラゴンボール世代がそのまま年寄りになって。俺も年寄りになって「きたねぇジジイとババアだ」って言って、笑ってくれるっていう。毒蝮さんじゃないですけど。そういうのが、いいですよね。

山脇:いいですね。一緒に老いていくかんじ。

 

そういうときは、潜るのやめればいいんです。「今日は残念だけど」って。

      

山脇:大学時代とかは、服とかもイケイケだったんですか?

R藤本:いや、イケてる人はそんないなかったんじゃないですか。サークルで月5万円くらいかかるんで、金もなかったし。

山脇:サークルに?

R藤本:はい。学生でそれは、なかなかキツいじゃないですか。合宿とか行ったら10万くらいかかるんで。年60万、平均。

山脇:ひえー。スキューバのお金も入ってるんですよね? プールでのトレーニングとか、講習とか。

R藤本:勿論入ってます。だから、軟派だとやっていけないです。ある程度硬派に、というか、スキューバをやっていこうって気持ちじゃないとできないです。

 

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山脇:スキューバ、怖くてやれる気がしないというか……怖くないですか。

R藤本:まあ、怖いのも、わかります、わかります。

山脇:潜った先で、何か問題が起きたら死ぬ、って思ったら、もう、怖くて。

R藤本:そうっすね。そういう人は、やらなくていいと思いますよ(笑)。

山脇:(笑)すみません。やらないです……。

R藤本:自分は、海、潜りたいだけ、好きなだけなんですよ、本当に。

山脇:その先は素敵なんだろうなーって思うんですけど。恐怖に勝てない。

R藤本:わかりますよ。怖いときは怖いですよ、やっぱり。

山脇:ヒヤッとしたときはありますか?

R藤本:ありますね、やっぱ。潜るときに「耳痛い」っていうのは、あるじゃないですか。普通そういう時は耳抜きして、「ふんっ」てすると抜けるんですけど、体調悪いときは抜けなかったり。そういうときは、潜るのやめればいいんです。「今日は残念だけど」って。

山脇:はい。

R藤本:逆に、上がるときに痛むことがあるんですよ。圧力のなかで慣れたもんが、圧力が薄くなるから、逆の痛みが発生するんです。

山脇:それは抜きようがないんですか?

R藤本:抜くと更に痛くなるから、これは結構どうしようもない。リバースブロックっていうんですけど。それになったときは「もう、どうしようか」って思いました。空気もなくなっていくし。

山脇:ああ、それが怖いんですよ。空気なくなったら、どうなるの? って。

R藤本:そうならないように、ガイドが絶対いるんです。酸素はだいたい、数字でいうと200スタートで、「ゲージが残り70になったら言え」って言われて。70になったら浮上を開始するんです。50くらい余裕を残して、浮上できるようにしよう、って。

山脇:はい。

R藤本:で、俺は空気が減るのが人より早かったんですよ。なんか、ごそごそ探すから。で、50なのに70とかいって、サバ読むんです。だから余裕がないんですよ。それで足りなくなって、ゼロくらいになったときは、ほんとう怖かったです。

山脇:でもそれは、ことなきをえて?

R藤本:なんか、いけましたね、ぐいっと。

 

「あ、あいつ!」「○○おるやん!」っていう、ポケモンとかと同じ感覚じゃないですかね。

 

山脇:どのくらい潜るんですか?

R藤本:基本20メートルくらいです。

山脇:秒数でいうと、どんくらいで上がれるんですか?

R藤本:ゆっくり上がらないといかんすね。

山脇:がーっと上がっちゃいけないんですか?

R藤本:3分間停止しないといけないし。窒素を抜く、みたいなので。5メートルのところで3分間は絶対止まらないといけないんです。

山脇:全然知らなかった。

R藤本:なので、ゆっくり、ゆっくり。コンピューターがあって、スカウターみたいのをつけてて、上がるのが速すぎるとピピーって鳴るんですよ。

山脇:「速いよ速いよ」って?

R藤本:なので、ゆっくりしつつ、5メートルで3分間止まってから、無理ないように上がる。結構時間かけますよ。

山脇:おもしろい。

R藤本:船に錨があって、ロープがあるんで、みんなでつかまったりして。そんな感じですよ。

山脇:ああ、でも怖いな~。

R藤本:怖い人は怖いと思いますよ。もちろんそんな危ないところは行かないですけど。

山脇:死ぬまでに一回はやってみたいけど……

R藤本:興味は、あるんですね。

山脇:やってみたい気持ちはあります。

R藤本:自分は本当に、魚、生き物が好きなだけなんで。潜ってる感覚とかは実はどうでも良くて。

山脇:魚を見るのが好き?

R藤本:「あ、あいつ!」「○○おるやん!」っていう、ポケモンとかと同じ感覚じゃないですかね。捕まえるわけじゃないですけど、珍しい、レアな生き物を見つけた、って言うのが、僕は。そういう人あんまりいないですけど。

山脇:そういうのを皆に知らしめて、褒められたい、とかいうのでもない?

R藤本:全然ないです。

山脇:では、今から撮影なんですけれども。前に写真苦手っておっしゃってたんですが……

R藤本:表情つくれないんですよ。「笑って」とか、もう、無理。

山脇:宣材写真でも、ベジータ様で笑ってないですもんね。

R藤本:ベジータは、笑わなくていいんで、ちょうどいいですね。

 

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R藤本

1981年3月16日生まれ。福岡県久留米市出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。趣味・特技はスキューバダイビング。ドラゴンボールのキャラクターに扮してネタなどを行う芸人を集めて「DBナイト」を主催する等、ドラゴンボール芸人たちのリーダー的存在。ユーモア軍団では「言語遊戯王8」からのメンバーで担当は「スピード」、カラーは水色。「R藤本の水曜はじけてまざれ!」はニコニコ生放送最古の番組。ダイナマイト関西2016オープントーナメント大会決勝進出、ベスト4。

 

山脇唯

1981年8月3日生まれ。俳優。ヨーロッパ企画退団後はフリーとして舞台を中心に活動。2013年より「すいているのに相席」に参加、“ユーモア女優“の称号をバッファロー吾郎A、せきしろ両氏より賜る。声の出演にNHK Eテレ「デザインあ」他ラジオCM等多数。ポンポコパーティクラブ代表。4/13~18新宿スペース雑遊にて浮世企画『メッキの星』に出演。

 

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